確定申告前に抑えておきたい!仮想通貨にかかる税金は?

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昨年、仕事仲間に勧められて、私も仮想通貨をついに購入してしまいました。

仮想通貨は値動きが激しいため、買った当初は今いくらなのかつい気になってしまい、仕事の合間によくチェックをしてしまいましたが、年明け以降の急激な下落により、現在の価値がいくらまで下がったのか、それ以来、怖くてチェックしていません。

きっと長期的には価値が上がるだろうと思いつつ、今回は仮想通貨についてお話をしたいと思います。

仮想通貨ってそもそもなに?

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最近はニュースでも、よく取り上げられるようになり、「仮想通貨」という言葉は耳慣れてきたかもしれませんが、「仮想通貨とは何か?」と聞かれて正しく説明できる人は少ないでしょう。

例えば、普段の生活の中で仮想通貨のようなものといえば、Suicaやスマホゲーム内で使用するお金がイメージしやすいでしょう。ただし、これらが、イコール仮想通貨というわけではありません。

これらは、特定の環境や会社、ゲーム内でしか使用できないからです。

これに対し、仮想通貨は正にお金、日本で言えば「円」と同じように使用できるのです。

つまり、仮想通貨とは、インターネットを通じていつでもどこでも誰に対しても使用できるお金と言えます。 そして、インターネットを通じて決済をするため、通貨といっても実際に、お札や貨幣のようにモノとして存在するわけではありません。

 

そんな仮想通貨について、どのような場面で税金がかかるのか、もう少し詳しく確認していきましょう。

仮想通貨も利益がでれば、当然「税金」が発生

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まず、仮想通貨を保有しているだけでは税金はかかりません。しかし、仮想通貨を運用し売却して利益が出た場合は、その儲けた分、つまり売却益に対して税金がかかります。

この売却益は、給料と同じく所得に該当し、売却益が一定額以上ならば確定申告が必要となります。 通常、サラリーマンが受け取った給料は給与所得、フリーランスの方や個人事業主が受け取った売上は、事業所得になります。

そして、それらは毎年3月に確定申告をし、納税額を確定する必要があります。

それでは、仮想通貨はどういった所得に該当するのでしょうか。

実は仮想通貨が生まれた当初は、どの所得に該当するかルールで定められていませんでした。 しかし、2017年12月に国税庁が「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」という取り扱い方法を公表しました。

この計算方法によりますと、売った値段と買った値段の差額がプラスであれば、つまり売却益があれば、「雑所得」として確定申告をしましょうと紹介しています。

例えば、下記のように、仮想通貨を20万円購入し、数か月後に、50万円まで価値が上がったため、売却し換金したとしましょう。 この場合、30万円の儲けとなりますので、売却益30万円は雑所得として取り扱い、確定申告が必要となります。

仮想通貨を換金せず、買い物に使ったとしても税金はかかる

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それでは、所持している仮想通貨を売却せず、その仮想通貨で電化製品を購入した場合は、どうなるでしょうか。 先ほどと同じケースで考えていきます。

仮想通貨の時価が50万円になったので、それまで買い替えようかと悩んでいた家電製品をまとめて50万円分買い替えたとします。この時の支払いは、現金やクレジットカードではなく、仮想通貨で支払ったとしましょう。

今回は先ほどのケースのように実際に50万円のお金は得ていないので、税金はかからないのでしょうか。いいえ、そうではありません。

このケースでは、家電製品を購入する直前で、一度、50万円のお金を得て、そのお金で家電製品を購入したとみなされます。

そのため、このケースでも先ほどのケースと同様に税金がかかってしまうので注意しましょう。

 

サラリーマンでも仮想通貨で20万円以上利益がでたら確定申告を

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サラリーマンの方が仮想通貨を購入し、その後、売却して儲けが出た場合は、先ほどの説明通り、基本的には確定申告をしなければなりません。 しかし、仮想通貨を売却したときの儲けが年間20万円以下であれば、仮想通貨の売却益について確定申告をする必要はありません。

これは、給料をもらう方が確定申告をしなければならないケースはいくつかに限定されており、その中の1つに、給料以外の所得合計額が20万円以下の場合は、少額なので、源泉徴収されているサラリーマンはあえて確定申告をする必要はないとされています。

仮想通貨を20万円購入し、数か月後に、40万円まで価値が上がったため、売却し換金した場合はどうでしょうか。  

この場合、売却益が20万円ですので、他に売却益がなければ、この20万円の売却益について、サラリーマンの方は確定申告をする必要がありません。

確定申告をするのが面倒な方はしっかり管理をして年間の儲けが20万円を超えないようにしましょう。

 

自営業の人は要注意!仮想通貨は「損益通算」ができない

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自営業の人が、仮想通貨を購入し、その後、売却して儲けが出た場合は必ず確定申告をしなければなりません。

これは、サラリーマンは源泉徴収されているのに対し、自営業の人は源泉徴収されていないので、仮想通貨の儲けが少額であったとしても、全ての所得を確定申告しなければならないからです。

また、個人事業が今年は赤字だったから、仮想通貨の売却益とぶつけて税負担を軽くしたいと考える方もいるかもしれませんが、残念ながら、事業から生じた損と仮想通貨の売却益をぶつけること(損益通算といいます)はできません。

 

仮想通貨にかかる税金はサラリーマン・自営業関係なく正しい処理が必要

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結論から言えば、確定申告をするしか方法はありません。上場株式や投資信託を売却したときは、自ら確定申告をする必要はありません。

これは、証券会社が儲けがいくら出たか計算し実際に儲けが出た場合は源泉徴収制度により納税を代わりにしてくれるからです。

しかし、仮想通貨は金融商品ではないので源泉徴収はされません。そのため、売却して儲けが出た場合は納税者が自ら確定申告をしなければなりません。 自分なんか税務署には何も言われないだろう、この金額であればばれないだろう、と思ってはいけません。税務署も甘くはありませんので、正しく納税をしましょう。

 

仮想通貨が赤字で上場株式や投資信託が黒字になっていても通算はできない

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仮想通貨は値動きが激しいため、利益が思いのほか出るときもあれば、ストンと価額が下がるときもあります。価額が下がったときに、これ以上損が広がることを避けるため売却した場合は、税金はどうなるでしょうか。

例えば、下記のように、仮想通貨を20万円購入したが、数か月後に10万円に価値が下がってしまったため、売却し損切りしたとしましょう。 この場合は、儲けが出ていないので、確定申告をする必要がありません。

しかしながら、先ほどの自営業の人が個人事業による損と仮想通貨の売却益を通算できないように、上場株式や投資信託の売却損益と仮想通貨の売却損益も下記のように通算できません。仮想通貨の売却損益は他の所得と通算ができないことを覚えておきましょう。

今後、価値の上昇が期待される仮想通貨

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今後、決済手段の1つとして仮想通貨は長期的には必ず価値上昇が見込まれると思います。そんな中、所有している仮想通貨を売却し売却益が発生した場合、納税者は自ら確定申告をしなければなりません。

このように、確定申告をすることが面倒だからといった理由で仮想通貨の利用が低迷し税制が足を引っ張らないよう、将来的には、株式と同様に源泉徴収されるようになってほしいと思います。

つい最近は、仮想通貨が流出したことがニュースになったように、まだまだ課題が多いように思われますが、投資という側面だけでなく、東京オリンピックを目前に控え、仮想通貨の利用自体が今よりももっと日常生活に浸透し、実生活がより便利になることが望まれます。

【執筆者】
長野 拓矢 (ナガノ タクヤ)


2011年国内大手税理士法人に入社。前職では、コンサルティング事業部に在籍し、主に、企業オーナーの事業承継対策や地主の相続対策といった提案型の業務に従事。現状を詳細に分析した上で、クライアントのニーズを汲み取り、クライアント1人1人に寄り添った提案を行うことを心掛けている。法人の顧問業務や個人の相続税申告業務においても、他士業と連携し、スピーディーな業務提供を行っている。


▶所属している税理士法人:
税理士法人 アイユーコンサルティング