ダンスは最高の趣味!グローバルサラリーマンダンサーが語る仕事とダンスの両立

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富士ゼロックス神奈川株式会社で営業として働きながら、HOUSE(ハウス)のダンサーとしてもご活躍中です。

「営業もダンスも本気です」と爽やかな笑顔を見せてくれた鈴木さんに、営業とダンスの両立についてお伺いしてきました。

サッカーを辞めて、始めたダンス

―――ダンスはいつごろからしていたのですか?

1年生の体育祭で、チームでダンスをやる機会があって面白いなって思いました。

最初はDAPUMPとかの真似が好きで、HIPHOPから入りました。

実は、中学生から高校まではサッカーをやっていたんです。


―――サッカー部を辞めてダンスを始めたんですか?

3つ上の兄がサッカーがすごく上手だったんですよね。高1の時サッカーに限界を感じたんです。

当時茅ケ崎に住んでいたのですが、総合体育館にダンサーが集まっている場所がありました。 体育祭の練習もそういうところで練習をしに行って。

上手なダンサーを見て、「カッコイイな」って思いましたね。 体を動かすのが好きだったので。

―――現在は「HOUSE」というジャンルでご活躍中とのことですが、HOUSEとはどんな音楽なんですか?

HOUSEっていうのは、ステップ系かつアクロバットで足を使うんです。

そこで、サッカーの経験が活かせるなって思って、高校2年にあがるころにHOUSEに絞りました。

―――どうしてHOUSEに興味を持ったのでしょうか?

当初はブレイクダンスにあこがれていて、ロックとかHIPHOPもやったんですね。

けれども、ダンスの練習をしていた総合体育館にHOUSEで有名な人たちがいて、「これがいいな」って思ったのも大きかったです。


―――高校生の頃はどのくらい練習をしていたんですか?

当時はファーストフードでバイトをしていて、それが週に2~3日ありましたが、それ以外はほとんどダンス漬けの毎日でした。

毎週ダンスのレッスンに通いつつ、毎日総合体育館で練習もしていましたね。
1日3~4時間くらいは踊っていたと思います。

 

―――凄くダンスに情熱を傾けていたんですね!

ダンスを始めた時って明確な思いがあったんですよ。

サッカーは小学校から続けていて、進学した高校もサッカーを中心に考えていたんです。それをやめることで、「親に申し訳ない」という気持ちが沸いて。

でも、心は折れちゃっていたし。

サッカーを辞めていじめられたりもして、見返してやりたいっていうのもあったんですよね。 最初は学校に行くのも嫌だったんです。

でも、総合体育館でカッコイイ人たちを見て、同じ学年で「ダンスを始めたい」って子がいたので、よしって。
昔から好きなものは頑張れるタイプだったので、本当にダンス漬けの毎日でした。

 

―――大学もダンスが中心だったんですか?

同じ高校にダンスが上手な3つ上の先輩がいて、その人が明治学院に進んだのもあって。

明治学院に入学して、ダンスサークルに入りました。 大学の頃からレッスンを自分で受けるだけではなく、教える側にもなりました。

火曜日はダンスの練習で徹夜、翌朝仕事のハードワークをこなす日々

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―――就活はダンスを軸に考えたんですか?

「絶対ダンスで行こう」と思っていたので、就活はほとんどしなかったんですよ。

そしたら父に、「ダンスをしながら仕事はできないの?」って聞かれて。

なるほどって思いました。

「ダンスがうまい子は仕事との両立もできるでしょ」って。 そういわれた時に、「だったらダンスをしながら社会人をやってみようかな?」と思いました。

3年の終わりに就活を始めたので、締め切りが早かった企業も多かったんですが、2社に内定をいただきました。

―――営業職を選んだ理由は?

あえてダンスとは別の道に進もうと思いました。 ダンスはダンスで、仕事は仕事で考えていました。

なので、就活ではダンスに関係する職業は特にみていません。

コミュニケーションに抵抗がないんですよね。

最初からずっと営業で、今年で10年目になります。

―――何故富士ゼロックス神奈川株式会社を選んだのですか?

富士ゼロックス神奈川は神奈川県内を営業拠点とする販売会社のため、県外への転勤がないので。

一緒に働く「人」の良さもあって、そういう土壌があるからこそダンスの活動も並行することができるんだと思います。


―――24歳の頃に、個人の活動だけではなくチームの活動を始められたそうですね

 

はい。 リーダーがアメリカで活動をしていた方で、日本に帰ってきてHOUSEダンス界の革命児って呼ばれていた方なんですけど。

その人が帰ってきた時に、「日本はHOUSEダンスが盛り上がっていない」と感じたそうで、その時にHOUSEダンス界で元気だったんです。

別のチームや個人で大会に出たりダンスバトルをしていましたが、現在ではチームでの活動を軸にしています。

―――チームではどんな活動をなさっているのですか?

チームの練習は週1回火曜日の24時~6時に行っています。 チームは男性6人で、2人が社会人で他はプロのダンサーです。

イベントの主催やパフォーマンスの依頼、レッスンで教えたりもしています。

 

―――えっ!翌日お仕事ですよね?

そうなんですよ!「水曜日は頑張る日」なんです。(笑)

仕事に行っているので、水曜日は寝てないんですよね…。

2年前に会社のシステムが変わって、7時から働いて15時に上がるっていう働き方の工夫ができるようになったので助かっています。

それより前は定時の17時45分まで働いていたので、本当にきつかったですね。

―――1週間のスケジュールを教えていただけますか?

月曜日は仕事を20時か21時に終えて、体づくりのためにジムに通うか練習をしています。

練習はスタジオを借りて個人練習です。 結構贅沢ですよね。社会人の強みです。(笑)

スタジオを借りるメリットは、集中できる音もいいし…外の練習と違って寒くないのも良いですね。

火曜日は19時ごろに仕事を終えて、21時半~23時ごろまで1対5~6人でダンスの講師をしています。 そして24時から6時までスタジオを借りてチームレッスン。

水曜日は15時に帰宅して寝ていますね。

木曜日は早出して20時ごろまで仕事をした後に練習をしています。

金曜日は定時でイベントに出たり飲み会に参加したりすることが多いです。

土曜日はダンスのイベントがない日はキッズレッスンで小学3年から中学2年生くらいの子どもに教えています。 1対15くらいですかね。

 

―――教えることで自分に良い影響ってありますか??

いい影響は多いですね。 教えるのがうまい人とパフォーマンスがうまい人はやっぱり違うと思います。

定期的に練習をしないと教えられないので、そういった意味でも、レッスンはやりたかったです。

大学生の頃から教えていたんですが、社会人になってレッスンは一回辞めたんです。 2年前に復活して、またダンス講師としても活動をしはじめました。

―――ダンスの講師を辞めたのはどうしてですか?

学生の頃のダンス講師の仕事は、「ダンスをすることによってお金が入る」ことが大きかったんです。

社会人だとお金は入るから自分に時間を使いたいと思って。

ダンスも習いに行きましたね。 ジャンルはこだわらずに、好きなダンサーさんに教えてもらったりして。

―――プロのダンサーで食べていくことは考えなかったのですか?

もともと仕事は、「3年くらい頑張ってみようかな」と思っていたんです。

でも、新人の頃は半年売れなくって本当に苦労して。 当時は焦っていて自分のペースで考えてしまっていたんですね。

「(相手の話を)聞くこと」と「スピード」を意識してから、コピー機が売れるし仕事が楽しくなってきて。

だんだん売れるようになってきて、入社1年目に新人賞をいただきました。

まずは仕事をかっちりして。 いい意味で軸を置けて心に余裕が出た1年目の23歳の時にダンスの練習を再開しました。

新人賞のステージで踊ったりして、そこから何かあるたびにダンスを披露しています。 周囲の理解があるのでうれしいですね。

 

グローバルサラリーマンダンサーとしてベトナムへ!

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―――その後ベトナムに渡ったそうですね。

2013年の8月に、社内公募に応募してFujiXerox Vietnam Co.,ltdに出向になりました。 2年間の期限付きでした。

社会人5年目で、ダンスと仕事の両立ができるようになっていて、「あえて今の環境を壊そう」と思ったんです。

当時は、「最強のサラリーマンダンサー」を目指していました。

実は大学4年生の時に、1か月間ベトナムで障害を持った人にダンスパフォーマンスをするボランティアに携わっていたんです。

そこで、英語力はなかったんですがベトナムに希望を出して、合格することができました。

 

―――ベトナムではどんな仕事をなさっていたんですか?

新規営業で部下も何人かいました。 ベトナムの仕事は超きつかったですね。(笑)

8時に始業で17時に定時だったんですが、帰宅が24時を過ぎた日もありました。

売り上げ目標もあったし、部下がベトナム人だったのでコミュニケーションの問題もあって。

2年間って期限が決まっていたから、やり切ろうと頑張りました。

 

―――ベトナムでもダンスをしていたんでしょうか?

向こうの生活は仕事がメインでしたけど、ダンスもちゃんとやっていましたよ。

ベトナムのチャンピオンを決める大会に優勝して、シンガポールやタイなどいろんな国でパフォーマンスしました。

年に1回会社が帰国させてくれたんですが、ベトナムにいましたねー。

年末や夏休みは、「日本に戻るよりは更に海外に出る」イメージで、いろんな所でパフォーマンスをしていました。


―――2年間の海外赴任を終えて、帰国なさったんですね

2015年の9月に帰国して、富士ゼロックス株式会社…親会社に出向になりました。

チームでは2年間僕を待ってくれていたのですが、みんなのほうがうまくなっていて。

「負けたくない」って、ダンスも仕事も頑張りましたね。

ベトナムと日本だと、仕事はやはり違ったし、ダンスも差を実感するし。

色んなことがあって、帰国後最初の1年は本当にきつかったです。そして2016年の10月に富士ゼロックス神奈川株式会社に戻りました。

メジャーアカウント営業部の営業職として県下の大手顧客の担当をしています。

ダンスと仕事、それぞれの壁

―――ダンスで壁にぶつかったことはありましたか?

ダンスは、社会人になると2~3年目で、プロと社会人の差がハッキリ出てくるんです。

就活で内定もらったけど、プロダンサーになった相方がいるのですが、ダンスを始めたころは僕のほうがうまいって言われていて。

でも2~3年目で相方がプロダンサーとして有名になっていって、彼が今ではいいメンターです。 お手本がいるって大事ですよね。

「このままじゃまずい」と2~3年目で思って、練習にもっと集中するようになったり練習を変えたりしました。

集中して「2時間これをやろう」っていう練習をしてこなかったんです。

なぁなぁで踊ることが多くて。 それを、時間が少ない分限られた時間を最大限使うことを意識して、目標を立てて練習をするようになりました。


―――練習はやはり大変ですか?

平日深夜の練習っておかしいですよね。(笑) 今のチームは大好きなんですが、「練習が朝までではなく、24時~3時までとかに変更できないかなぁ」と思っています。

頑張った分、いいことも多いんですけど。


―――社会人としても壁はありましたか?

弊社では、マネージャーは資格制なんです。 マネージャーの資格をもらってまた海外に行きたいですね。 中国とか凄そうじゃないですか!

大体の製造業は中国なので、そこを知らないままはもったいないなぁと思います。 マネジメントはベトナムで経験しましたが、後悔ではないんですが、「もっとこういう風にできたかもしれない」という思いがあって。

本当の意味でノウハウを提供できたかと思うと疑問符がつくんです。

僕の帰国後に、7人いたベトナムの部下が6人辞めちゃって。売れてれば残っていたはずなんですよね。

ベトナムは本当に楽しい場所だったんですが、ノウハウや技術を教えることができれば彼等は残っただろうし、今頃は「ベトナムを支える人に育っていた可能性がある」と思うと、僕ができることがあったんじゃないかなって。

―――仕事をしていてうれしいことってありますか?

結果が出た時はうれしいです!

個人だけではなくチームにも表彰制度があるんですが、チーム賞を受賞すると海外旅行に行けるんですよ。

僕は今まで1度も経験がなかったんですが、この間受賞することができチーム全員でグアムに行くことができました。 平日に3泊4日だったかな?

それは本当にうれしかったですね。

―――今後の目標ってありますか?

海外で実績が出せるようになったのはうれしいですね。 サラリーマンダンサーになったし、グローバルサラリーマンダンサーにもなったし。(笑)

なので、「最強のグローバルサラリーマンダンサーになること」ですね。 3月には台湾の大会で優勝しましたし、5月は韓国にダンスバトルに行きます。

海外招待も積極的に受けて行きたいと思っています。 チームのリーダーが今38歳ですが、現役ですごくダンスがうまいんです。

僕も40歳くらいまでは第一線で頑張りたいと思っています。 歳を重ねるとと渋くなってくるんですよ。 「味のあるダンス」っていう表現がしっくりくるかな。

それと、今教えている生徒の成長はこれからの楽しみのひとつですね。 彼らにコンテストに勝ってもらったり、僕だけではなく彼らの成長を実感できたり、そういうのも目指していきたいです。

―――夢を持っているけど、仕事との両立ができるか不安な方に対してメッセージをお願いします

仕事と好きなことの両立って、限られた人にしかできないって思いこんいる方も多いと思うんです。 夢を持っていることでその人のブランドは高まりますよね。

僕は実力で言ったらチーム内では下かもしれないですけど、人としての価値はあると思うんです。 僕のダンスは「最高の趣味」なんです。

プロのダンサーとの違いでいうと、仕事じゃないから選べる。 自分の好きなことしかやっていないんですよね。

食べるためにやってないので、自分の本当に好きなことだけに打ち込めるのが大きいです。 本当に好きなことだけやってダンスで食べてる人はほんの一握りだと思います。 だったら「ベースが仕事でもいいじゃん?」って。

でもそのためにはベースの仕事を本気で頑張らなきゃいけないんです。

そして、空いている時間はとりあえずダンスに使いまくるみたいな。(笑)

―――ちなみに、両立のコツってありますか?

偏りすぎないことです。 成果を出すことによって応援してくれるので、仕事もトップじゃなきゃいけない。 仕事がノッテいる時は、ダンスもノッテいるんですよね。

相乗効果です。 だから、「ワークライフバランス」って言いますけど、プライベートを輝かせるためには、好きなことと仕事の相乗効果が大事だと思います。

 

取材・文:あおみ ゆうの

鈴木さんのダンスの主な経歴
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チーム : TOKYO FOOTWORKZ

DANCE DELIGHT TOKYO Vol,13 : 準優勝
DANCE@PEACE GRAND FINAL  : 優勝
TVシリーズ「超DANCE@HERO」 : 優勝
SUMMER DANCE FOREVER 2015@Amsterdam Performance
 

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チーム : Consciencia

BIG BANG TOKYO : 優勝

Alleyoop5 NEWSKOOL JUNCTION@Korea 2nd Prize

個人
FLOOR THE LOVE 2013@Vietnam and Singapore : 優勝
Ocean Battle session@Taipei Vol,12 5on5 : 優勝