【フリーランス必見】明日からできる!収入印紙代を節約する3つの方法

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高額な買い物をする際、領収書に貼ってある収入印紙。

「収入印紙ってよくわからないないなぁ」そう思う方も多いのではないでしょうか。

収入印紙は印紙税という税金の一つです。領収書の他にも、多くの契約書等に貼付が求められます。また、契約書等に記載のある取引金額が高額となれば、印紙代も高額になります。

事業や副業をしている方にとっては、領収書の発行や契約書の作成は日常茶飯事です。その度に貼付が必要となる印紙税ですので、節約できるものなら節約したいですよね。実は、少し方法を変えるだけで、収入印紙は大幅に節約できますよ!

そこで今回は、「改めて収入印紙とは何か」と「節約のポイント」について解説していきます。

 

収入印紙とは何か・なぜ必要なのか

前述したとおり、収入印紙とは印紙税という国税の一つです。では、どのようなときに貼付が必要となるのでしょう?

まず、収入印紙は文書に貼付するものであり、原則文書の作成者が貼付する義務を負います。そして、貼付した収入印紙に消印をすることによって、国への納税をしたことになるのです。

ですが、「そもそも文書を作成するだけの行為になぜ税金が課税されるのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。

これについては、小泉純一郎氏が内閣総理大臣に就任されていた際の答弁書に、

「経済取引に伴い作成される文書の背後には経済的利益があると推定されること及び文書を作成することによって取引事実が明確化し法律関係が安定化することに着目して広範な文書に軽度の負担を求める」

との記載がありました。

簡単に解釈すると「国が定めた法律によって取引の事実や法律関係の安定性を享受しているし、契約当事者の経済的利益が見込まれるので、税負担を求めます」ということでしょう。

なお、収入印紙の貼付が求められる文書を「課税文書」、求められない文書を「非課税文書」といいますが、これらの定義や課税額は、印紙税法において明確に規定されています。ここでは詳細説明を割愛しますが、気になる方は国税庁のHPをご参照ください。

 

貼付を忘れたらどうなるのか

課税文書には印紙の貼付が義務付けられていますが、故意・過失問わず、実際には貼付のない契約書を見かけることが多いのも事実です。

では、収入印紙の貼付をしない場合にはどうなるのでしょう?

まず、収入印紙がない契約書でも、その合意内容が無効になることはありません。しかし、税法上の罰則があります。

税務調査時に収入印紙の貼付漏れを指摘された場合は、本来貼付が必要となる収入印紙の金額の3倍の過怠税が課されます(指摘前に自主的に申し出た場合は1.1倍に軽減されます)。また、消印を失念していた場合は、その収入印紙の額面と同額の過怠税が課されます。

過怠税は個人法人問わず経費にすることも出来ませんので、しっかりと収入印紙の貼付をしましょう。

 

収入印紙を節約する方法

収入印紙は、課税文書に記載のある取引金額が大きくない場合、高額な負担ではないかもしれません。しかし、日々の印紙代を積み重ねれば、相応の金額にはなるでしょう。ましてや、合法的に節約できる方法であれば、積極的に採用すべきですよね。ここでは、印紙税の節約方法についてご説明します。

 

電子契約の導入

契約書とは、あくまで契約当事者の合意内容を文書に残したものですから、たとえ契約書がなくとも(仮に口頭だとしても)契約は成立します。とはいうものの、契約内容は明確にしておく必要がありますので、「電子契約」を導入される事業者が増えています。電子契約には収入印紙の貼付は求められません。理由は「文書ではない」ためです。

この解釈については、前述した小泉純一郎氏の答弁書においても

「ペーパーレス化が進展しつつあるが、文書課税である印紙税においては、電磁的記録により作成されたものについて課税されない」

とあります。

また、国税庁の事前照会においても

「注文請書の調製行為を行ったとしても、注文請書の現物の交付がなされない以上、たとえ注文請書を電磁的記録に変換した媒体を電子メールで送信したとしても、ファクシミリ通信により送信したものと同様に、課税文書を作成したことにはならないから、印紙税の課税原因は発生しないものと考える。」

旨を認めています。根拠があると捉えて差し支えないでしょう。

ただし、電子契約とは別に現物契約書の作成をする場合には、やはり収入印紙が必要となりますので、ご注意ください。

 

契約書のコピーを利用

通常、契約当事者が2名であれば契約書も2通作成することが多いでしょう。この場合2通とも課税文書となるため、収入印紙も2通分必要です。

しかし、原本を1通にして、もう1通を写しにすれば、印紙代は1通分で抑えることが出来ます。印紙税法における課税文書はあくまで原本です。

ただし、概ね次のような場合には、契約書の写しだとしても、契約の成立を証明する目的で作成されたことが明らかですので、収入印紙の貼付が必要です。

  • 契約当事者の双方又は文書の所持者以外の一方の署名又は押印があるもの
  • 正本などと相違ないこと、等の記載があるもの
  • 契約書に「原本を複数作成する」旨の記載があるもの
  • 原本と写しに割り印があるもの

なお、契約書の写しでも原則として原本と同じ契約の法的効力を有すると考えてよいでしょう。

ただし、万が一契約内容に齟齬があり裁判等に発展する場合、やはり原本の方が効力の立証はしやすいので、契約に応じて使い分けるのがよさそうですね。

 

契約書の金額の表記を変える

次の課税文書では、消費税等の金額を明確に記載することにより、その消費税等相当額を除いた取引金額で、対応する印紙税額の判定が出来るとされています。

  • 不動産の譲渡等に関する契約書 (第1号文書)
  • 請負に関する契約書 (第2号文書)
  • 金銭又は有価証券の受取書 (第17号文書)

例えば、広告の請負契約書に、「請負金額1,080万円うち消費税額等80万円」と記載すれば、消費税額等80万円が明確となります。そのため、取引金額1,000万円の第2号文書となり、印紙税額は1万円となります。

しかし、消費税額等について「うち消費税額等80万円」ではなく、「消費税額等8%を含む」等の記載をした場合には、消費税額等が必ずしも明らかであるとは言えませんので、取引金額は1,080万円と取り扱われ、印紙税額は2万円となるのです。

記載方法を少し変えるだけで、収入印紙が1万円節約できるのであれば、明日から実行すべきですよね。

 

少しの工夫で収入印紙は節約できる

今回は収入印紙について解説しました。少しの工夫で収入印紙は節約できます。個人的には「電子契約の導入はますます浸透していくのだろうな」と思っています。「千里の道も一歩から」比較的簡単に出来る節約方法ですので、皆様もぜひご検討ください。

 

【執筆者】
出川 裕基(でがわ ゆうき)


2009年に国内大手税理士法人の東京本社に入社。同所ではマネージャー職を担い、相続税申告、事業承継及び地主の相続対策など通算250件以上の資産税案件を手掛 けてきた。その傍ら、金融機関向け勉強会及びお客様向けセミナーの講師を多数務め、執筆活動にも携わる。


▶所属している税理士法人:
税理士法人 アイユーコンサルティング